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ブームはコロナ騒動と共に収束する⁉ テレワークが抱える4つの問題点とは

20.07.17
ブームはコロナ騒動と共に収束する⁉ テレワークが抱える4つの問題点とは

新型コロナウイルスの影響で、「テレワーク」という働き方が推奨されています。
厚生労働省がLINE利用者を対象に行った「新型コロナ対策のための全国調査」によると、その実施率は4月の中旬時点で全国平均が約27%。
かつてないほどテレワークが注目されているにもかかわらず、
利用者は拡大していないのが現状です。緊急事態宣言の発令から、
外出自粛要請のなかで広まったテレワーク。
果たしてコロナ騒動の収束後、定着するのでしょうか。

テレワークの利点


たしかにテレワークは従来の働き方と比べ、時間を効率的に使えるメリットがあります。
都内近郊で働く会社員の平均通勤時間は往復で2時間弱、すし詰め状態の
満員電車の中ではスマホの画面を見ることすらできません。
テレワークなら、今まで無駄にしてきた2時間を、家族全員で食卓を囲む時間や、
読書や音楽鑑賞を楽しむ趣味の時間に充てることも可能です。
高い家賃を払ってオフィスに近い部屋を借りる必要もない。
郊外に広い部屋を借り、自分好みの仕事場を自宅に設け、誰にも邪魔されず
仕事をすることは一つの理想的な働き方と言えます。
些細な相談のために、数時間かけて客先に出向くといった無駄な時間もなくなるでしょう。

オフィスワークにはない、テレワークの「4つの問題」


しかし、テレワークにはオフィスワークにはない問題が大きく分けて4点あります。
第一に、そもそも生活必需品を販売する小売店や、現場での作業が必要となる清掃業、
介護などのサービス業では、テレワークのしようがありません。
実際、リモートでの業務が可能な業種は意外に限られています。

第二の問題として、家で仕事をすることは、少なからず情報漏洩の
危険性がつきまといます。
現在、多くの企業で活用されているビデオ会議サービス「Zoom」も、
セキュリティの脆弱性を指摘されていて、テレビ会議への不法侵入行為は
今も後をたちません。
事故のリスクがある以上、オンライン上で機密性の高い仕事をすることに対しては、
大いに不安が残ります。

ビデオ会議の問題点は、セキュリティだけではありません。
第三に、コミュニケーションの質の低下があげられます。
オフィスであれば、書面を共有して上司に確認していたことが、
ビデオ会議ではそうはいきません。
毎回書類をPDF化し、画面上に映し出してスクロールしながら尋ねるか、
もしくはメールやチャットに文面を作成して一から説明する必要があります。
使用している機材のスペックによっては、会議の途中で映像や音声が
途切れてしまうトラブルが発生することも。
ビジネスにおいて、重要な報連相が滞ってしまうのは無視できない懸念事項です。

そして、テレワークは時間効率が向上しても、生産性が高まることにはならない。
これが、最後の問題点です。
オフィスには、プリンターやスキャナーなど業務上必要な設備がすべてそろっています。
自宅での作業中、書類を出力しようとして機材がないことに気づき、
困惑した人も多いでしょう。
オフィスという場所は、仕事をするために整備された環境ですが、
自宅はあくまでも居住の場。
時には子どもやペットが仕事中に乱入することもあり得ます。
たとえ一人暮らしでも、テレビやゲームなどの誘惑に負けた、部屋が散らかっているのが
気になりつい掃除を始めてしまった、という人たちが少なからず存在しています。

テレワークにとらわれない働き方を


時間や資金をかけて設備や体制を整えれば、テレワークの問題点も解決できるでしょう。
しかし、ただでさえ新型コロナウイルスの影響で不景気が続く今、日本の会社の
大半を占める中小企業に設備投資をする余裕はありません。
かといって、これまで述べてきたような問題点を抱えたままテレワークを続けた場合、
情報漏洩や情報伝達ミス、品質の低下が必ず発生するはずです。
テレワークという固定概念にとらわれず、自社に相応しい「働き方改革」を
考えてみてはいかがでしょうか。


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