広報PR企業経営広告業界 ~すでにそこにある未来~ 大転換期の広告手法 【第Ⅱ部 社会・経済の変化】 17.05.08 技術の進化や働き方の変化をとらえ人材に投資。リクルート活動と社員同士のシナジーの向上へ。あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」─。マイケル・A・オズボーン准教授らによるオックスフォード大学の研究により、人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる、という衝撃的な予測が発表されたのをご存じだろうか。これは米国労働省のデータに基づき分析した結果、702の職種がITやロボットなど最新技術によって自動化されるリスクが高いというもの。職種の中には、データ入力作業員、ドライバー、電話オペレーターなど労働集約的な仕事だけでなく、銀行の融資担当者や弁護士助手など高学歴のホワイトカラーも含まれているという。確かにAIが本格的に広く活用されるようになれば、我々人間が担う業務は一変するかも知れない。新たなアイデアを構想するクリエイティブな仕事や、人と人とのヒューマンタッチが必要な仕事は残るだろうが、多くのルーティンワークはより生産性の向上が求められるはずだ。少子高齢化に伴う経済と消費活動の変化日本国内では特に顕著だが、この背景には人口減少と少子高齢化がある。別の言い方をすれば、生産年齢人口(労働力の中核をなす15歳以上65歳未満の人口)が年々減少する問題である。これらはすでに、経済や消費活動にも甚大な影響を及ぼしている。例えば昨今、空き家問題に注目が集まっている。郊外団地のスラム化、老朽化して住み手がなく解体もできない戸建て住宅など…。人口減少が進めば、今後25年以内に3軒に1軒が空き家になるという試算もあるほどだ。その一方、都市では大手デベロッパーの再開発により毎年多くの新築マンションが供給されている。世帯収入が二極化し、中間所得層が減少傾向にあることを考慮すれば、空き家を再利用した中古住宅市場が活性化するかも知れない。また、少子高齢化や晩婚化に伴い、消費活動も大きく変化してきた。今や、おひとり様単身世帯は1/3となり、少量で質の良いものを求める傾向がある。消費に遠慮がちな若者だが、普段は節約しながら、たまにプチ贅沢するメリハリ消費が流行っている。本当に欲しい物なら、決してお金を惜しまないのだ。一方、アクティブシニアの存在も見逃せない。団塊世代を中心にこだわりを持つ元気なシニアが増えており、年齢に関係なく旅行や趣味への消費に意欲的だ。2013年にスタートしたJR九州が企画する豪華寝台列車クルーズトレイン「七つ星」は、1泊2日25万円から。3泊4日の最高額は95万円だが、人気で切符が手に入らないほどだという。消費活動だけでなく、労働市場の環境も大きく変化した。生産年齢人口の減少により、小売・外食・医療・福祉・建設など労働集約型産業を中心に、人手不足は深刻な問題となっている。また、IoTやAIなど技術革新に必要とされる、STEMと呼ばれる理系のエンジニア採用に、メーカーなど開発型企業は頭を悩ませている。その一方で非正規雇用は年々増加の一途をたどり、ついに就業者の4割を超えた。賃金格差は社会問題となっており、貧困や晩婚化・少子化を加速させる原因と言われている。働き方の変化もある。テレワーク〈在宅勤務〉の推進や子育てとの両立支援により、女性活躍が叫ばれているが、ここにも課題が多い。保育所不足により職場復帰できない、あるいは復帰できても昇格をのぞめないなど女性がキャリアを描きにくいのだ。男性も他人事ではない。親の介護によりやむなく離職するケースも増えているからだ。長時間労働やハラスメントによる健康被害も深刻で、過労死など社会に大きな影響を及ぼすと企業へのダメージは大きい。人の問題は企業にとって、かつてないほどの関心が高まっているのである。企業の成長のキーワードは「人」であるまさしく、企業は人なり。今後の成長を担う事業のアイデアを生み出すには、企業理念に共感する優秀な人材のリクルートと、従業員同士の活発なコミュニケーションが欠かせない。変化が激しい時代には、知と知のシナジーによってしか、世の中を変える新たな商品・サービスは生まれないからだ。─優秀で勤勉な人材を採用し、長く活躍してもらえる環境をつくる─。この当たり前の戦略こそが、これからの企業にとってますます重要なテーマとなっていくだろう。 関連記事 インナーブランディング成功への道~インナーブランディングの必要性~ Webの壁[担当者に必要な基礎知識/その②]基本構造 【目からウロコの深イイ話】②デジタル全盛期に印刷物を発行すべき理由と... 新人デザイナーのルーキー君と学ぶ!おろおろしない制作物のスケジュール...
技術の進化や働き方の変化をとらえ人材に投資。
リクルート活動と社員同士のシナジーの向上へ。
あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」─。
マイケル・A・オズボーン准教授らによるオックスフォード大学の研究により、
人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる、という衝撃的な予測が発表されたのを
ご存じだろうか。これは米国労働省のデータに基づき分析した結果、702の職種が
ITやロボットなど最新技術によって自動化されるリスクが高いというもの。
職種の中には、データ入力作業員、ドライバー、電話オペレーターなど労働集約的な
仕事だけでなく、銀行の融資担当者や弁護士助手など高学歴のホワイトカラーも
含まれているという。
確かにAIが本格的に広く活用されるようになれば、我々人間が担う業務は
一変するかも知れない。新たなアイデアを構想するクリエイティブな仕事や、
人と人とのヒューマンタッチが必要な仕事は残るだろうが、多くのルーティンワークは
より生産性の向上が求められるはずだ。
少子高齢化に伴う経済と消費活動の変化
日本国内では特に顕著だが、この背景には人口減少と少子高齢化がある。
別の言い方をすれば、生産年齢人口(労働力の中核をなす15歳以上65歳未満の人口)が年々減少する問題である。
これらはすでに、経済や消費活動にも甚大な影響を及ぼしている。
例えば昨今、空き家問題に注目が集まっている。郊外団地のスラム化、老朽化して
住み手がなく解体もできない戸建て住宅など…。人口減少が進めば、今後25年以内に
3軒に1軒が空き家になるという試算もあるほどだ。
その一方、都市では大手デベロッパーの再開発により毎年多くの新築マンションが
供給されている。世帯収入が二極化し、中間所得層が減少傾向にあることを考慮すれば、
空き家を再利用した中古住宅市場が活性化するかも知れない。
また、少子高齢化や晩婚化に伴い、消費活動も大きく変化してきた。
今や、おひとり様単身世帯は1/3となり、少量で質の良いものを求める傾向がある。
消費に遠慮がちな若者だが、普段は節約しながら、たまにプチ贅沢するメリハリ消費が
流行っている。本当に欲しい物なら、決してお金を惜しまないのだ。
一方、アクティブシニアの存在も見逃せない。団塊世代を中心にこだわりを持つ元気な
シニアが増えており、年齢に関係なく旅行や趣味への消費に意欲的だ。
2013年にスタートしたJR九州が企画する豪華寝台列車クルーズトレイン「七つ星」は、
1泊2日25万円から。3泊4日の最高額は95万円だが、人気で切符が手に入らないほどだと
いう。
消費活動だけでなく、労働市場の環境も大きく変化した。生産年齢人口の減少により、
小売・外食・医療・福祉・建設など労働集約型産業を中心に、人手不足は深刻な問題と
なっている。
また、IoTやAIなど技術革新に必要とされる、STEMと呼ばれる理系のエンジニア採用に、
メーカーなど開発型企業は頭を悩ませている。
その一方で非正規雇用は年々増加の一途をたどり、ついに就業者の4割を超えた。
賃金格差は社会問題となっており、貧困や晩婚化・少子化を加速させる原因と
言われている。
働き方の変化もある。テレワーク〈在宅勤務〉の推進や子育てとの両立支援により、
女性活躍が叫ばれているが、ここにも課題が多い。保育所不足により職場復帰できない、
あるいは復帰できても昇格をのぞめないなど女性がキャリアを描きにくいのだ。
男性も他人事ではない。親の介護によりやむなく離職するケースも増えているからだ。
長時間労働やハラスメントによる健康被害も深刻で、過労死など社会に大きな影響を
及ぼすと企業へのダメージは大きい。人の問題は企業にとって、かつてないほどの関心
が高まっているのである。
企業の成長のキーワードは「人」である
まさしく、企業は人なり。今後の成長を担う事業のアイデアを生み出すには、
企業理念に共感する優秀な人材のリクルートと、従業員同士の活発なコミュニケーション
が欠かせない。変化が激しい時代には、知と知のシナジーによってしか、世の中を変える
新たな商品・サービスは生まれないからだ。
─優秀で勤勉な人材を採用し、長く活躍してもらえる環境をつくる─。
この当たり前の戦略こそが、これからの企業にとってますます重要なテーマと
なっていくだろう。