広報PR企業経営広告業界 ~すでにそこにある未来~ 大転換期の広告手法 【第Ⅰ部 産業・技術の変化】 17.04.24 激動の1年が予想される2017年は、大政奉還がなされた明治維新から150年という節目の年となります。欧米をはじめとする政治の混乱や中国のバブル崩壊、日本国内における大企業の不祥事や業績不振。さらにAIやIoTに代表される技術革新による新たな産業の誕生など、まさに歴史的大転換期を迎えています。ここでは世の中の動きをふり返りながら、企業が取り組むべき課題を広告・広報の側面からご提案。新たな時代の「企業ブランディング(価値向上)」に必要なアイテムづくりについてお伝えします。あらゆる産業でITを基盤に製品が複雑化。高度なサービスにはマーケティング力が必須。米国発の急成長企業にUber(ウーバー)がある。自動車共有仲介サービスと言われ、タクシーの配車に加えて、一般人が自家用車を使って運送サービスを提供できる。GPSなど位置情報を利用し、SNSとひも付け信用を担保。オンライン決済により気軽にサービスを提供できるというビジネスモデルで、大きく成長している。また、一般人が観光客に自分の家を貸し出すことができるAirBnB(エアビーアンドビー)は、一種の空き部屋仲介サービスだ。料金設定も自由で、広告宣伝やマッチング、決済は同社が代行し、家主・利用者は顔写真や実名のため安心して利用できるのが特徴。過去の評価情報も閲覧できるため、利用者間でトラブルに発展するケースは少ないという。こちらも成長著しく、すでに世界180数ヶ国、100万以上の宿泊先が登録されている。これらはシェアリング・エコノミーと呼ばれる新業態だが、ITを活用したサービスはますます広がりを見せてきた。例えば、PC関連機器以外の家電や設備機器など、「モノ」とインターネット接続するIoTは広範囲のポテンシャルがあると期待されている。さらにAI(人工知能)やロボットの活用、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)など、近年の技術革新の進歩には目を見張るばかりだ。ITの進化と各業界への浸透かつてはシステム活用やデータ処理が中心だったITは、あらゆる産業に浸透してきた。それぞれの業界ではどのような変化が起きているのだろうか。まずは流通・小売業界だ。百貨店から総合スーパー、そして現在はコンビニへと主役の座が移り、不況と言われるなか現在のコンビニ店舗数は5万店を突破。その一方、人手不足に伴うアルバイト店員確保の問題が顕著だ。これを解消するため、ローソンはパナソニックと共同で、新型レジ機「レジロボ」を開発した。買い物かごにバーコードの読み取り機器があり、商品をかざして入れてレジカウンターに置けば代金が表示される。かごの底がスライドして商品を袋詰めするという仕組みだ。今後、バーコードではなく電子タグにすれば、かごを置くだけで料金が確定できるという。建設業界も同様の課題を抱えている。2020年の東京オリンピックを控え、都心の大型再開発プロジェクトや震災復興事業で業績好調な大手ゼネコンと建設会社だが、就業者の高齢化や技能労働者不足など人手不足が深刻だ。そのため、国土交通省がけん引役となり、ITの導入によって生産性向上を目指すi-Constructionが進められている。そして、世界的に環境規制が厳格化されるなかでEV(電気自動車)の開発、さらに自動運転など新たな市場が注目される自動車業界。Googleなどシリコンバレーを中心とした最先端技術ベンチャーなど、異業種からの参入を含め競争が激化している。自動車にデバイスを取り付け、アクセルやブレーキのビッグデータを蓄積して運転を評価する自動車保険の誕生など、他業界への波及効果も大いに期待されている。健康・ヘルスケア業界でも、医療費の抑制に向けたIT活用が注目されている。ウェアラブル端末を身につけ、健康管理や運動促進につなげるという試みだ。また、金融業界ではFintechに代表されるように、金融サービスの新たな時代の幕開けだと考えられている。これまで金融機関による独占状態で変化に乏しかった金融サービスを、IT活用によって消費者目線から「安く、早く、便利に」しようという動きが活発化しているのだ。高度なサービスを提供する為の表現力や説得力の重要性これからの時代、複雑化・高度化する技術を活用した高度なサービスを販売するには、より顧客視点のマーケティングが重要になる。例えば、先ほどお伝えした「レジロボ」自体の特長やメリットを、店舗を運営する企業に伝えるのは難しくはないだろう。ところが「レジロボ」メーカーに対して、「バーコードを読み取るシステム」や「電子タグを活用したソリューション」を提案するのは容易ではない。特にB2B企業の広告宣伝では、顧客のベネフィットを直感的かつ分かりやすく伝える表現力や、説得力のあるプレゼンテーションが必要になるはずだ。 関連記事 Illustratorで切り抜き画像にフチをつける 急成長するWebでコストをかけずに生き残るには!? 【マンネリレスキュー 株主通信編】株主通信、いつも同じ内容になってい... 企業再生の “切り札” 生まれ変わるためのインナーブランディング【ツ...
激動の1年が予想される2017年は、大政奉還がなされた明治維新から150年という節目の
年となります。欧米をはじめとする政治の混乱や中国のバブル崩壊、日本国内における
大企業の不祥事や業績不振。
さらにAIやIoTに代表される技術革新による新たな産業の誕生など、まさに
歴史的大転換期を迎えています。
ここでは世の中の動きをふり返りながら、企業が取り組むべき課題を広告・広報の側面
からご提案。新たな時代の「企業ブランディング(価値向上)」に必要なアイテムづくり
についてお伝えします。
あらゆる産業でITを基盤に製品が複雑化。
高度なサービスにはマーケティング力が必須。
米国発の急成長企業にUber(ウーバー)がある。自動車共有仲介サービスと言われ、
タクシーの配車に加えて、一般人が自家用車を使って運送サービスを提供できる。
GPSなど位置情報を利用し、SNSとひも付け信用を担保。オンライン決済により気軽に
サービスを提供できるというビジネスモデルで、大きく成長している。
また、一般人が観光客に自分の家を貸し出すことができるAirBnB(エアビーアンドビー)
は、一種の空き部屋仲介サービスだ。料金設定も自由で、広告宣伝やマッチング、決済は
同社が代行し、家主・利用者は顔写真や実名のため安心して利用できるのが特徴。
過去の評価情報も閲覧できるため、利用者間でトラブルに発展するケースは少ないという。
こちらも成長著しく、すでに世界180数ヶ国、100万以上の宿泊先が登録されている。
これらはシェアリング・エコノミーと呼ばれる新業態だが、ITを活用したサービスは
ますます広がりを見せてきた。例えば、PC関連機器以外の家電や設備機器など、「モノ」
とインターネット接続するIoTは広範囲のポテンシャルがあると期待されている。
さらにAI(人工知能)やロボットの活用、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)など、
近年の技術革新の進歩には目を見張るばかりだ。
ITの進化と各業界への浸透
かつてはシステム活用やデータ処理が中心だったITは、あらゆる産業に浸透してきた。
それぞれの業界ではどのような変化が起きているのだろうか。
まずは流通・小売業界だ。百貨店から総合スーパー、そして現在はコンビニへと
主役の座が移り、不況と言われるなか現在のコンビニ店舗数は5万店を突破。
その一方、人手不足に伴うアルバイト店員確保の問題が顕著だ。これを解消するため、
ローソンはパナソニックと共同で、新型レジ機「レジロボ」を開発した。
買い物かごにバーコードの読み取り機器があり、商品をかざして入れてレジカウンターに
置けば代金が表示される。かごの底がスライドして商品を袋詰めするという仕組みだ。
今後、バーコードではなく電子タグにすれば、かごを置くだけで料金が確定できるという。
建設業界も同様の課題を抱えている。2020年の東京オリンピックを控え、都心の大型再開発
プロジェクトや震災復興事業で業績好調な大手ゼネコンと建設会社だが、就業者の高齢化や
技能労働者不足など人手不足が深刻だ。そのため、国土交通省がけん引役となり、ITの導入
によって生産性向上を目指すi-Constructionが進められている。
そして、世界的に環境規制が厳格化されるなかでEV(電気自動車)の開発、さらに
自動運転など新たな市場が注目される自動車業界。Googleなどシリコンバレーを
中心とした最先端技術ベンチャーなど、異業種からの参入を含め競争が激化している。
自動車にデバイスを取り付け、アクセルやブレーキのビッグデータを蓄積して運転を
評価する自動車保険の誕生など、他業界への波及効果も大いに期待されている。
健康・ヘルスケア業界でも、医療費の抑制に向けたIT活用が注目されている。
ウェアラブル端末を身につけ、健康管理や運動促進につなげるという試みだ。
また、金融業界ではFintechに代表されるように、金融サービスの新たな時代の幕開け
だと考えられている。
これまで金融機関による独占状態で変化に乏しかった金融サービスを、IT活用によって
消費者目線から「安く、早く、便利に」しようという動きが活発化しているのだ。
高度なサービスを提供する為の表現力や説得力の重要性
これからの時代、複雑化・高度化する技術を活用した高度なサービスを販売するには、
より顧客視点のマーケティングが重要になる。例えば、先ほどお伝えした「レジロボ」
自体の特長やメリットを、店舗を運営する企業に伝えるのは難しくはないだろう。
ところが「レジロボ」メーカーに対して、「バーコードを読み取るシステム」や
「電子タグを活用したソリューション」を提案するのは容易ではない。
特にB2B企業の広告宣伝では、顧客のベネフィットを直感的かつ分かりやすく伝える
表現力や、説得力のあるプレゼンテーションが必要になるはずだ。