販売促進人材戦略広報PRIR/CSR企業経営プランニング広告業界 提案コンペで、本当に良い制作会社を選ぶことができるのかを考えてみる 15.10.21 印刷物やWebなど制作物の発注先を決める際、数社に声をかけて最も良い提案を採用する方法を「コンペ」といい、たびたび実施されています。コンペを実施する際にはどのようなことに注意すべきでしょうか。コンペにおけるメリット・デメリットを含め、制作会社選びのポイントをまとめてみました。RFPにより、書面で契約条件などを明確に伝える提案コンペについてご存知ない方もいらっしゃるので、はじめにコンペとはどのようなものかについてお伝えしたいと思います。制作会社によって得意分野や品質・価格などが異なるため、複数の制作会社から最適な発注先を選択する方法を「コンペ」といいます。自社にとって最適な発注先を選べるという意味で、たびたび活用される方法として知られています。通常、3~4社ほどの制作会社に声をかけ提案を依頼します。基本的な姿勢として、依頼内容をRFP(Request For Proposalの略。提案依頼書のこと)により書面とし、公平性を保つことが原則です。RFPには、①コンペの目的・主旨 ②仕様の概要 ③概略予算④締切期日などを記載します。できれば契約後にもめることがないよう、⑤制作物の権利や二次使用の規則などを明記しておく方が望ましいです。また、⑥制作体制(メインの担当者やプロジェクトのメンバー)⑦制作スケジュール⑧見積りの条件と変更の有無などについても、確認しておくと良いかと思います。もちろん、コンペでは品質を検討することが最も重要であるため、⑨企画書やデザインサンプルの提出を求める必要があります。口頭での約束事は後々問題になることが多いため、RFPなど書面で伝達することが大事。面会時のオリエンテーションではお互いに疑問点をなくし、誠実な対応が必要です。メリットよりもデメリットが多いコンペの実態東京五輪における、競技場やエンブレムのコンペ問題が報じられてきました。これにも見られるように、コンペの実施には課題が多いのも事実です。コンペの最も大きなメリットは、最適な発注先を選べること。複数の企画を検討できるため、幅広い材料から自社の目的に合う発注先に依頼することができます。しかし、ここには落とし穴があります。1点目は、制作会社の品質が担保されるかどうか。コンペの際に提出したデザインサンプルは、別の優秀なデザイナーが考案したものかも知れません。実際に担当するスタッフが作ったものかどうかの判断は不可能です。2点目は、実際の対応の良し悪しは発注してみないと分からない点。見積書の金額よりも余計なコストがかかった、要望や修正への反応が悪かった、など発注後に制作会社の対応力が分かるケースは少なくありません。最後に3点目。果たして発注する側に、発注先を選別する能力があるのかどうか。特にマーケティングやデザインは、専門家でもそのクオリティを見分けることは難しい。東京五輪の問題でも、ここに大きな落とし穴がありました。結論から言えば、時間と手間をかけて実施する割に、コンペにはデメリットが多いといえます。コンペの問題点を回避する方法とは?では、正しい発注先を選ぶための最適な方法は何でしょうか。コンペには問題が山積しているため、コンペそのものを実施しないで良い制作会社を見つけることをおすすめしたいと思います。かといって、過去の実績をうのみにするのは最悪の方法です。一番の方法は、紹介や口コミです。つまり自社内の他部署、あるいは交流のある他社の担当者から、良い制作会社の評判を聞き発注先を検討する方法です。これにはたくさんのメリットがあります。1つ目は、大きな失敗をしないで済むこと。制作物の事例を見れば、制作会社の品質がたいてい分かります。2つ目は、予算や対応力が分かること。実際に発注した人の話を聞けば、見積書の金額を知るだけでなく、要望や修正に対する対応がどうだったのかが理解できます。3つ目は、効率化が図れること。すでに社内の他部署が発注している場合、事業内容や方針について制作会社がすでに理解してくれています。説明する面倒が大幅に省けることは、業務の効率化につながります。紹介や口コミはメリットが大きいですが、一方で定期的に発注先を見直すことは重要です。企画がマンネリになる、発注先と慣れ合いの関係になるなど問題に発展することもあるからです。たしかにインターネットで調べると、数多くの制作会社が検索できます。しかし実際には、品質の高い制作会社は少ないのが現状です。ネットの時代だからこそ、口コミや紹介が正しい答えを導いてくれるのかも知れません。 Point ●コンペでは契約内容も含め、RFPなど書面で明確に伝える●デメリットが多く、コンペでは優れた制作会社を選びにくい●紹介・口コミによる発注先選びなら、失敗が回避できる 関連記事 LPのコンバージョンアップの秘訣は、コーポレートサイトにあった! 広報活動に欠かせないカメラ選びのポイント! Web会議で注意したい3つのこと 中小企業が初めてインナーブランディングを行って感じたこと ③社員座談...
印刷物やWebなど制作物の発注先を決める際、数社に声をかけて最も良い提案を採用する方法を「コンペ」といい、たびたび実施されています。
コンペを実施する際にはどのようなことに注意すべきでしょうか。
コンペにおけるメリット・デメリットを含め、制作会社選びのポイントをまとめてみました。
RFPにより、書面で契約条件などを明確に伝える
提案コンペについてご存知ない方もいらっしゃるので、はじめにコンペとはどのようなものかについてお伝えしたいと思います。
制作会社によって得意分野や品質・価格などが異なるため、複数の制作会社から最適な発注先を選択する方法を「コンペ」といいます。
自社にとって最適な発注先を選べるという意味で、たびたび活用される方法として知られています。
通常、3~4社ほどの制作会社に声をかけ提案を依頼します。
基本的な姿勢として、依頼内容をRFP(Request For Proposalの略。提案依頼書のこと)により書面とし、公平性を保つことが原則です。
RFPには、
①コンペの目的・主旨
②仕様の概要
③概略予算
④締切期日
などを記載します。
できれば契約後にもめることがないよう、
⑤制作物の権利や二次使用の規則
などを明記しておく方が望ましいです。
また、
⑥制作体制(メインの担当者やプロジェクトのメンバー)
⑦制作スケジュール
⑧見積りの条件と変更の有無
などについても、確認しておくと良いかと思います。
もちろん、コンペでは品質を検討することが最も重要であるため、
⑨企画書やデザインサンプルの提出
を求める必要があります。
口頭での約束事は後々問題になることが多いため、RFPなど書面で伝達することが大事。
面会時のオリエンテーションではお互いに疑問点をなくし、誠実な対応が必要です。
メリットよりもデメリットが多いコンペの実態
東京五輪における、競技場やエンブレムのコンペ問題が報じられてきました。
これにも見られるように、コンペの実施には課題が多いのも事実です。
コンペの最も大きなメリットは、最適な発注先を選べること。
複数の企画を検討できるため、幅広い材料から自社の目的に合う発注先に依頼することができます。
しかし、ここには落とし穴があります。
1点目は、制作会社の品質が担保されるかどうか。
コンペの際に提出したデザインサンプルは、別の優秀なデザイナーが考案したものかも知れません。
実際に担当するスタッフが作ったものかどうかの判断は不可能です。
2点目は、実際の対応の良し悪しは発注してみないと分からない点。
見積書の金額よりも余計なコストがかかった、要望や修正への反応が悪かった、など発注後に制作会社の対応力が分かるケースは少なくありません。
最後に3点目。果たして発注する側に、発注先を選別する能力があるのかどうか。
特にマーケティングやデザインは、専門家でもそのクオリティを見分けることは難しい。
東京五輪の問題でも、ここに大きな落とし穴がありました。
結論から言えば、時間と手間をかけて実施する割に、コンペにはデメリットが多いといえます。
コンペの問題点を回避する方法とは?
では、正しい発注先を選ぶための最適な方法は何でしょうか。
コンペには問題が山積しているため、コンペそのものを実施しないで良い制作会社を見つけることをおすすめしたいと思います。
かといって、過去の実績をうのみにするのは最悪の方法です。
一番の方法は、紹介や口コミです。
つまり自社内の他部署、あるいは交流のある他社の担当者から、良い制作会社の評判を聞き発注先を検討する方法です。
これにはたくさんのメリットがあります。
1つ目は、大きな失敗をしないで済むこと。
制作物の事例を見れば、制作会社の品質がたいてい分かります。
2つ目は、予算や対応力が分かること。
実際に発注した人の話を聞けば、見積書の金額を知るだけでなく、要望や修正に対する対応がどうだったのかが理解できます。
3つ目は、効率化が図れること。
すでに社内の他部署が発注している場合、事業内容や方針について制作会社がすでに理解してくれています。
説明する面倒が大幅に省けることは、業務の効率化につながります。
紹介や口コミはメリットが大きいですが、一方で定期的に発注先を見直すことは重要です。
企画がマンネリになる、発注先と慣れ合いの関係になるなど問題に発展することもあるからです。
たしかにインターネットで調べると、数多くの制作会社が検索できます。
しかし実際には、品質の高い制作会社は少ないのが現状です。
ネットの時代だからこそ、口コミや紹介が正しい答えを導いてくれるのかも知れません。