若年人口の減少や大学生の二極化から、企業の採用活動が計画通りに進まないという現状があります。
新卒採用は中途採用とは異なり、企業ブランドや他社との比較優位性をどう表現するのかが成功のカギ。
今回は、採用したい大学生の心をぐっとつかむことを目的に、成功する「リクルートWebサイト」について考えてみたいと思います。

優秀な大学生の内定辞退など、採用活動での課題が山積

「求めるスキルを持つ大学生を採用できない」「内定辞退が思ったより多く困惑している」…
若年層の減少に伴う、昨今の売り手市場においては、採用活動において課題や悩みを持つ企業が増えている。

たくさんの内定を獲得する優秀な大学生と、なかなか内定につながらない大学生という、二極化が進んでいるのだ。

ただし、必ずしも有名企業や大企業ばかりが優位だとは限らない。

終身雇用がもろくも崩れ去り、企業寿命が短命化するなか、成長意欲が高く優秀な大学生ほど、社会貢献やビジネスモデルの先進性、仕事のやりがいやキャリアアップ、経営者の人間性など選択の仕方が大きく変化している。

これまでとはちがい、むしろ採用する企業側が「こんな将来を描いているから、こんな人材に来てほしい」という明確なメッセージを送らなければ、採用活動に失敗するケースが目立ってきているのだ。

就職活動フローと大学生の心理を理解することが重要

ところで時代の流れとともに、大学生の就活のやり方が変化しているかというと、そんなことはない。
リクナビやマイナビなど大手就活サイトに登録して希望する企業を検索し、会社説明会、グループ面接、個別面接に進むというフローは以前のままだ。

ただし問題なのは、就活が進むほど、多くの企業から内定を獲得する優秀な大学生にとって、最終的に内定を承諾する企業を選択することが困難となることだ。

逆にいえば企業にとって、この段階までの情報提供が非常に重要だ。

大手就活サイトはその性質上、表現において他社との差別化は困難だ。

そのため企業の独自性や特長を強く訴求するためには、各企業のWebサイト上で情報提供することが重要となる。

にもかかわらず、現実的にはリクルートWebサイトに投資する中堅・中小企業は少ない。

大学生にとって企業の見方が変化している現在、これは大変もったいないことだ。

固有の技術やノウハウを持つ地方の企業、ニッチに特化して業績・シェアを伸ばす中小企業など、成長ポテンシャルの高い会社が採用活動に投資すれば、優秀な新卒人材に出会う可能性は以前よりも高くなっているからだ。

Webサイトは第一印象を左右するゲートウェイ

では大学生にとって、企業の魅力が伝わるWebサイトとは、一体どのようなものだろうか。
そもそも新卒でリクルート活動を始める大学生にとって、業務についての正しい理解、ビジネスモデルや業界での位置付けなどの認識は、必ずしも多くはない。

そこで、具体的な仕事内容はもちろん、入社後のキャリアパス、経営者の魅力やビジョン、社会貢献度などを積極的に伝える努力が必要となる。

そして何よりも重要なことは、コンテンツの見せ方だ。

多くの企業に対して情報収集している大学生にとっては、簡潔・明瞭なプレゼンテーションが好まれる。

一般的にコーポレートサイトは、顧客を主な対象として構成されることが多い。
一方、リクルートWebサイトの対象者は、新卒の大学生を中心とした若年層だ。
そのため、将来の明るい展望を感じさせる必要がある。
コンテンツはもとより、ビジュアルを含めた表現にこだわることが成果を生む。

PCからスマホが大学生の就活アイテムの中心となった今、単なる情報提供ではなく、動画などリッチコンテンツを活用し、企業側から採用したい大学生に対し、魅力的なプレゼンテーションをする能力が求められている。

「この企業の会社説明会には、絶対に参加したい！」

Webサイトを訪問した大学生には、そう感じてもらいたいものだ。

つまり会社説明会や面接へのモチベーションを高める、リクルートWebサイトを構築すること。
自社ニーズにマッチした人材の獲得、さらに内定辞退者減少のためには、Web上での正しい情報提供が不可欠だ。