アドバンド株式会社

新人デザイナーが印刷会社の営業マンに突撃取材!「紙のトリビア」

15.10.23
新人デザイナーが印刷会社の営業マンに突撃取材!「紙のトリビア」

印刷物において用紙の種類や厚さ、手ざわりなど質感は、その品質を決める重要な要素です。

紙にはたくさんの種類があり、その特徴もさまざま。
そのためパンフレットなど印刷物を制作する上で、知っておくべきポイントがいくつかあります。

新人デザイナーが印刷会社の営業マンに取材し、質問をぶつけてみました。
紙にまつわるトリビアを知り、制作物の品質向上にお役立てください。



Q1 紙質にはどのようなものがありますか?
A1 大きく5種類。コート紙、マットコート紙、アート紙、上質紙、特殊紙です。


ツヤがあり、チラシやカタログなどに適するのが「コート紙」
一方、光沢がなく落ち着いた風合いの「マットコート紙」
これらはカラー印刷で最も幅広く使われています。

そして、高級美術印刷などに使用される「アート紙」
塗工を施さずザラザラした質感の「上質紙」は、文字中心の書籍などに多く使用されています。

他にもコストは高くなりますが、手ざわりや色合いが個性的なファンシーペーパーなどの「特殊紙」があります。



Q2 コート紙○○kgって、どのくらいの厚さ?
A2 紙の厚さは、一定寸法に仕上げた紙1,000枚の重さで表記されます。


紙の厚さは四六判(788×1091mm)、菊判(636×939mm)、A判(625×880mm)など一定寸法に仕上げられた紙1,000枚(一連)の重さで表記されます。
つまり数値が大きいほど、より厚い用紙となります。

例えば同じマットコート紙でも、四六判90kgは菊判62.5kgと同等の紙厚となります。

パンフレットの場合、表紙のみを厚い紙で印刷し、中面を同質の薄い紙で印刷することもあります。



Q3 紙に印刷するための印刷機は?
A3 スピード優先なら「輪転機」、品質優先なら「枚葉機」で印刷します。


一般的なオフセット印刷では「輪転機(りんてんき)」と「枚葉機(まいようき)」という、2種類の印刷機があります。

輪転機は新聞折込チラシや通販カタログなど、大量に速く印刷するものに適しており、ロール紙を使用します。

枚葉機は菊判や四六判など一定の大きさの紙に印刷。会社案内や営業案内などパンフレットを中心に、小ロットで、写真や色味の見映えを重視した品質の高いものに適しています。



Q4 紙に施す加工にはどんなものがあるの?
A4 ポリプロピレンを使ったPP加工、UVインキを使うUV印刷などがあります。


よく使われる加工技術として、PP加工(PP:ポリプロピレン)という表面加工があり、これには大きく3つの役割があります。

①印刷物の表面保護 … 特にベタ塗りの表紙など、摩擦によるキズが付かないようにする。
印刷物の表面化粧 … 表面に光沢を与えることで、質感を出すことを目的とする。
印刷物の強度補強 … 書籍のカバーなど、印刷物の強度を高める役目を果たす。

また、ツヤ消しのものを「マットPP貼り」、より光沢のあるものを「グロスPP貼り」といい、用途や目的により異なる加工を施すこともできます。

他にも、紫外線を照射することで硬化乾燥させるUVインキ(UV:紫外線)で印刷する、UV印刷という方法もあります。



インタビューを終えて…


なるほど!
大事なことは用途に合わせて最適な紙質、紙厚、印刷・加工方法を選ぶことが重要なんですね。

印刷物にとって紙の質感は、デザインと同様に重要なファクターなのだと分かりました。

今後はデザイナーとして、こだわった用紙選びを実践していきたいと思います。
ありがとうございました!

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