株主通信社会環境報告書WebIR/CSR 企業にとってSDGsが不可欠な理由 Vol.02 20.11.06 ところで、民間企業がSDGsに取り組むメリットとは何でしょうか。ここでは大きく3つの視点から考えてみたいと思います。① 経営リスクの回避もともとSDGsは、ESGへの関心の高まりからスタートしたもので、その背景には利益の追求を優先するあまり、社会や環境への負荷を無視した経営を行うことへの反発がありました。株主や投資家からそっぽを向かれるだけでなく、企業ブランドが下降すれば、結果として経営そのものが成り立たなくなってしまいます。これは、上場企業をはじめとする大企業だけの問題ではありません。たとえ中小企業であっても、この世界的な潮流を無視すれば、サプライチェーンから除外されてしまうかもしれません。つまり、上場・非上場、企業の規模を問わず、SDGsの理解と推進が求められるのです。②大きなビジネスチャンスを獲得できる可能性が高まるSDGsの達成により環境、エネルギー、地域開発などさまざまな分野で、12兆ドルのビジネスを生み出すと予測されていることからも明らかです。たとえば、海洋プラスチックごみが問題視されていますが、その解決にむけ世界規模の大手飲食店チェーンを中心に、プラスチック製ストローを廃止する動きが活発になっています。仮に最先端の技術を保有する中小企業が、環境に配慮したストローを開発したらどうでしょうか。グローバルに展開するビッグビジネスに成長するかも知れません。つまり、企業がSDGsを経営戦略に組み込むことで、リスクの回避と売上の向上という、相乗効果が生まれるのです。③企業のイメージアップ昨今、社会・環境への意識の高まりとともに、問題解決に取り組みたいという若者が増えていると聞きます。実際、大学でも学部を問わず、SDGsに関心を持つ学生も多く、書店に行けば、関連書籍が数多く出版されていることに驚くはず。つまり、企業のSDGsへの取り組みは、従業員満足や採用力の向上にも寄与するのです。社会全体でSDGsの達成への気運が高まると、当然、消費者の意識も変化していくことでしょう。消費者庁が実施する「平成30年度消費者意識基本調査」の結果によれば、約6割の人が「環境に配慮した商品やサービスを選択する」と答えました。また、約4割の人が日頃の生活で「環境・エネルギー問題に関心を持つ」と回答しています。すでに、消費行動はがらりと変わっていることも想像に難くありません。17の目標からビジネスチャンスを2030年のあるべき姿を示すSDGs。その頃には、この潮流に反するような製品・サービスの提供はできなくなっているかも知れません。この前提のもと、自社の事業や商品の抱えるリスクを洗い出し、いち早く対応策を検討し、そしてSDGsの17目標からビジネスチャンスを探してみる。将来的な企業価値の維持・向上には、これらの視点が欠かせないでしょう。それぞれの企業で初めてSDGsを企業で取り組むとき、2つのポイントがあるのですがそれはまた、次の記事でお伝えします。 関連記事 ワンランクアップする印刷物の各名称 就活で感じた採用広告・採用説明会の違和感 絵描きさんに感謝!!イラストを活用したリッチな誌面づくり 【Illustrator】スポイトツールで属性(アピアランス)をコピ...
ところで、民間企業がSDGsに取り組むメリットとは何でしょうか。
ここでは大きく3つの視点から考えてみたいと思います。
① 経営リスクの回避
もともとSDGsは、ESGへの関心の高まりからスタートしたもので、その背景には利益の追求を優先するあまり、社会や環境への負荷を無視した経営を行うことへの反発がありました。株主や投資家からそっぽを向かれるだけでなく、企業ブランドが下降すれば、結果として経営そのものが成り立たなくなってしまいます。
これは、上場企業をはじめとする大企業だけの問題ではありません。たとえ中小企業であっても、この世界的な潮流を無視すれば、サプライチェーンから除外されてしまうかもしれません。
つまり、上場・非上場、企業の規模を問わず、SDGsの理解と推進が求められるのです。
②大きなビジネスチャンスを獲得できる可能性が高まる
SDGsの達成により環境、エネルギー、地域開発などさまざまな分野で、12兆ドルのビジネスを生み出すと予測されていることからも明らかです。
たとえば、海洋プラスチックごみが問題視されていますが、その解決にむけ世界規模の大手飲食店チェーンを中心に、プラスチック製ストローを廃止する動きが活発になっています。
仮に最先端の技術を保有する中小企業が、環境に配慮したストローを開発したらどうでしょうか。グローバルに展開するビッグビジネスに成長するかも知れません。
つまり、企業がSDGsを経営戦略に組み込むことで、リスクの回避と売上の向上という、相乗効果が生まれるのです。
③企業のイメージアップ
昨今、社会・環境への意識の高まりとともに、問題解決に取り組みたいという若者が増えていると聞きます。実際、大学でも学部を問わず、SDGsに関心を持つ学生も多く、書店に行けば、関連書籍が数多く出版されていることに驚くはず。
つまり、企業のSDGsへの取り組みは、従業員満足や採用力の向上にも寄与するのです。
社会全体でSDGsの達成への気運が高まると、当然、消費者の意識も変化していくことでしょう。
消費者庁が実施する「平成30年度消費者意識基本調査」の結果によれば、約6割の人が「環境に配慮した商品やサービスを選択する」と答えました。
また、約4割の人が日頃の生活で「環境・エネルギー問題に関心を持つ」と回答しています。すでに、消費行動はがらりと変わっていることも想像に難くありません。
17の目標からビジネスチャンスを
2030年のあるべき姿を示すSDGs。その頃には、この潮流に反するような製品・サービスの提供はできなくなっているかも知れません。この前提のもと、自社の事業や商品の抱えるリスクを洗い出し、いち早く対応策を検討し、そしてSDGsの17目標からビジネスチャンスを探してみる。将来的な企業価値の維持・向上には、これらの視点が欠かせないでしょう。
それぞれの企業で初めてSDGsを企業で取り組むとき、2つのポイントがあるのですが
それはまた、次の記事でお伝えします。