販売促進広報PRプランニング 企画の基本の<き>コンセプト編~企画の「骨組み」を考える~ 17.01.05 「企画をする」。ビジネスシーンの中でこの言葉をよく耳にしますが、作り方を学ぶ機会に恵まれず、手探りで制作している方も多いことでしょう。ここでは、企業活動には欠かせないツールにおける企画の基本をご紹介。普段のツール制作に今すぐ使える考え方が満載です。前半はコンセプト編、後半はアウトプット編として、2回に分けてお送りします。効果が出るツールには、しっかりとした「企画」がある営業案内や採用ツール、社内報など、企業活動に欠かせないツールは数多くあります。しかし、それらの企画について教わる機会は滅多に無く、上司から急に命じられ、前例の無いまま手探りでなんとか完成させた方も多いのではないでしょうか。また、既存のツールを改訂する場合、制作すること自体が目的となり、内容の検討が不十分なままマンネリ化している会社もあるでしょう。課題や求める効果をそのつど見直す必要があるのはわかっていても、やり方がよく分からず、結局昨年とほぼ同じものが出来上がった、という経験をした方も多いはずです。それぞれの制作物で効果をあげるには、企画が肝心。今回の特集では、そのコツをお伝えしましょう。手順としては新規制作・既存改訂に関わらず、①目的選定②現状分析③方針決定④媒体検討⑤コンテンツ制作⑥レイアウトとなります。今回は「コンセプト編」として、①~④についてお伝えいたしましょう。①目的選定 ~ゴールや求める成果を経営層と共有する~まずは、そのツールを制作する目的を決めます。ポイントは、漠然とではなくできるだけ具体的に設定すること。例えば採用ツールなら、ただ単に「応募人数を増やす」では十分ではありません。「採用したい学生像は?」「彼らの入社モチベーションを上げるには?」など、もっと掘り下げて考える必要があります。具体的であればあるほど、どんなツールを作ればいいのかが明確になります。目的があいまいでただ作っただけのツールでは、効果は出ません。企画の根幹を担う、一番大事なパートが目的選定なのです。また、経営層と議論し、ゴールを共有しておくことも欠かせません。いくら「採用説明会に参加する優秀な学生を50%増やす」という目的を掲げても、ツール制作だけで問題を解決することはできないからです。会社の中長期的ビジョンや限られた予算などの制約をふまえた上で、ツールでは何を達成しなければならないのか、経営者と共有しておけば後々認識のズレやギャップが生じないはずです。②現状分析 ~客観的かつ多角的な現状分析を心がける~データには、「定性」と「定量」の2種類があります。両面から検討することで、多角的に現状を把握することができます。定性データとしては、ツールを使う人の意見を聞いてみるのが一番。また、現在のトレンドをチェックし、世の中の傾向を研究することも大切です。定量データとして一般的なのは、アンケート。例えば消費者意識調査や新年の初売りについての調査など、Web上にはさまざまなアンケート結果が掲載されています。無料で閲覧できるものも多いので、ぜひ調べてみましょう。さらに、より具体的な成果につなげたいなら、フレームワークを利用するのも一つの方法です。有名なものに「SWOT分析」や「3C分析」があります。SWOT分析とは、マーケティング戦略を導き出すための分析に用いるフレームワーク。強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)の4要素から自社を取り巻く環境と現状を把握します。3C分析も市場分析のためのツールですが、こちらは顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)を要素とします。ただ、フレームワークを使用する場合は、それぞれの要素を書き出すだけで満足しないように心がけましょう。あくまで目的は、課題や機会について分析することです。改訂の場合はこれに加えて、現状のツールを客観的な視点で読み直し、分かりやすさや使い勝手などの問題点を洗い出しておく作業も必要です。③方針決定 ~たくさん出してからとことん絞り込む~現状分析で把握した課題をふまえ、初めに決定した目的と照らし合わせつつ、自由な発想で方針を決めます。ここでは、集団で話し合うのに最適な「ブレインストーミング」という手法がオススメです。反論しない、奇抜な考えを歓迎する、量を重視する、他人の意見への便乗を推奨する、この4つのルールを守ることで、常識にとらわれない斬新なアイデアを生み出すことができます。実際にできるかどうかはこの段階では考えず、数を出すことを意識しましょう。全て出尽くしたと感じたら、アイデアをテーマごとに分類します。その後、実現性や効果を考えながら優先順位が高いものを絞り込むのが、企画をシャープにするコツです。④媒体検討 ~求める方針に応じて適切な媒体を選ぶ~制作方針も決まったら、次は媒体の検討です。媒体には、Web、印刷物、動画などがあります。まずはWebサイト。即時更新できコストも低く、動きなどを表現できる上、訪問者と双方向のコミュニケーションが可能なWebは、一見すると紙よりも優れた媒体のように感じるかもしれません。しかし、Webは基本的に受動的なメディアであるため、訪問までの導線が構築できていないと機能しにくいという欠点があります。一方、印刷物は手渡しなどで能動的にアプローチできるため、結果的に見てもらえる確率が高くなります。また、折り方や加工などを工夫することで、表現の幅が広がるのも印刷物の魅力です。最近では動画も考えられます。動画は、イベントなど対面の場合やWebとの相性がよく、メッセージをわかりやすく伝えるのに適しています。いずれの場合も、方針に合った媒体を選ぶことが大切です。また、単体ではなく複数の媒体を組み合わせる「クロスメディア」と呼ばれる手法も検討しましょう。相乗効果が生み出せる可能性が大いに期待できるからです。ここまでがコンセプト編。次はいよいよ、実際のコンテンツを制作していくコツをお伝えします。お楽しみに! 関連記事 アフターコロナの突破口を想像できるか?【営業活動編】 広報誌発行までのロードマップ ~1~ 新人デザイナーのルーキー君と学ぶ!おろおろしない制作物のスケジュール... Webの抱える重大な弱点とは?~マス媒体が中心的存在であり続ける理由...
「企画をする」。ビジネスシーンの中でこの言葉をよく耳にしますが、
作り方を学ぶ機会に恵まれず、手探りで制作している方も多いことでしょう。
ここでは、企業活動には欠かせないツールにおける企画の基本をご紹介。
普段のツール制作に今すぐ使える考え方が満載です。
前半はコンセプト編、後半はアウトプット編として、2回に分けてお送りします。
効果が出るツールには、しっかりとした「企画」がある
営業案内や採用ツール、社内報など、企業活動に欠かせないツールは数多くあります。
しかし、それらの企画について教わる機会は滅多に無く、上司から急に命じられ、
前例の無いまま手探りでなんとか完成させた方も多いのではないでしょうか。
また、既存のツールを改訂する場合、制作すること自体が目的となり、
内容の検討が不十分なままマンネリ化している会社もあるでしょう。
課題や求める効果をそのつど見直す必要があるのはわかっていても、
やり方がよく分からず、結局昨年とほぼ同じものが出来上がった、
という経験をした方も多いはずです。
それぞれの制作物で効果をあげるには、企画が肝心。
今回の特集では、そのコツをお伝えしましょう。
手順としては新規制作・既存改訂に関わらず、
①目的選定②現状分析③方針決定④媒体検討⑤コンテンツ制作⑥レイアウト
となります。今回は「コンセプト編」として、①~④についてお伝えいたしましょう。
①目的選定 ~ゴールや求める成果を経営層と共有する~
まずは、そのツールを制作する目的を決めます。
ポイントは、漠然とではなくできるだけ具体的に設定すること。
例えば採用ツールなら、ただ単に「応募人数を増やす」では十分ではありません。
「採用したい学生像は?」「彼らの入社モチベーションを上げるには?」など、
もっと掘り下げて考える必要があります。
具体的であればあるほど、どんなツールを作ればいいのかが明確になります。
目的があいまいでただ作っただけのツールでは、効果は出ません。
企画の根幹を担う、一番大事なパートが目的選定なのです。
また、経営層と議論し、ゴールを共有しておくことも欠かせません。
いくら「採用説明会に参加する優秀な学生を50%増やす」という目的を掲げても、
ツール制作だけで問題を解決することはできないからです。
会社の中長期的ビジョンや限られた予算などの制約をふまえた上で、
ツールでは何を達成しなければならないのか、経営者と共有しておけば
後々認識のズレやギャップが生じないはずです。
②現状分析 ~客観的かつ多角的な現状分析を心がける~
データには、「定性」と「定量」の2種類があります。
両面から検討することで、多角的に現状を把握することができます。
定性データとしては、ツールを使う人の意見を聞いてみるのが一番。
また、現在のトレンドをチェックし、世の中の傾向を研究することも大切です。
定量データとして一般的なのは、アンケート。
例えば消費者意識調査や新年の初売りについての調査など、
Web上にはさまざまなアンケート結果が掲載されています。
無料で閲覧できるものも多いので、ぜひ調べてみましょう。
さらに、より具体的な成果につなげたいなら、フレームワークを利用するのも一つの方法です。
有名なものに「SWOT分析」や「3C分析」があります。
SWOT分析とは、マーケティング戦略を導き出すための分析に用いるフレームワーク。
強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)の4要素から
自社を取り巻く環境と現状を把握します。
3C分析も市場分析のためのツールですが、
こちらは顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)を要素とします。
ただ、フレームワークを使用する場合は、それぞれの要素を書き出すだけで満足しないように心がけましょう。
あくまで目的は、課題や機会について分析することです。
改訂の場合はこれに加えて、現状のツールを客観的な視点で読み直し、
分かりやすさや使い勝手などの問題点を洗い出しておく作業も必要です。
③方針決定 ~たくさん出してからとことん絞り込む~
現状分析で把握した課題をふまえ、初めに決定した目的と照らし合わせつつ、自由な発想で方針を決めます。
ここでは、集団で話し合うのに最適な「ブレインストーミング」という手法がオススメです。
反論しない、奇抜な考えを歓迎する、量を重視する、他人の意見への便乗を推奨する、
この4つのルールを守ることで、常識にとらわれない斬新なアイデアを生み出すことができます。
実際にできるかどうかはこの段階では考えず、数を出すことを意識しましょう。
全て出尽くしたと感じたら、アイデアをテーマごとに分類します。
その後、実現性や効果を考えながら優先順位が高いものを絞り込むのが、企画をシャープにするコツです。
④媒体検討 ~求める方針に応じて適切な媒体を選ぶ~
制作方針も決まったら、次は媒体の検討です。媒体には、Web、印刷物、動画などがあります。
まずはWebサイト。即時更新できコストも低く、動きなどを表現できる上、訪問者と双方向のコミュニケーションが可能なWebは、
一見すると紙よりも優れた媒体のように感じるかもしれません。
しかし、Webは基本的に受動的なメディアであるため、訪問までの導線が構築できていないと機能しにくいという欠点があります。
一方、印刷物は手渡しなどで能動的にアプローチできるため、結果的に見てもらえる確率が高くなります。
また、折り方や加工などを工夫することで、表現の幅が広がるのも印刷物の魅力です。
最近では動画も考えられます。
動画は、イベントなど対面の場合やWebとの相性がよく、メッセージをわかりやすく伝えるのに適しています。
いずれの場合も、方針に合った媒体を選ぶことが大切です。
また、単体ではなく複数の媒体を組み合わせる「クロスメディア」と呼ばれる手法も検討しましょう。
相乗効果が生み出せる可能性が大いに期待できるからです。
ここまでがコンセプト編。次はいよいよ、実際のコンテンツを制作していくコツをお伝えします。お楽しみに!