WebIR/CSR IRサイトをもっと充実させる3つの工夫とは? 22.09.20 上場企業であれば、コーポレートサイト内に設けられていることが多いIRサイト。その主な目的は、個人・機関投資家や株主に向けて、必要な情報を提供することです。訪問者に「この会社に投資したい!」「株を持ち続けたい!」と思ってもらえるサイトにするには、いくつかの工夫が必要になってきます。例えば、あなたの会社のIRサイトはこんな特徴はありませんか? ⚫︎必要な情報になかなかたどり着けない ⚫︎財務情報など、定量的な内容しか掲載していない ⚫︎PDFをアップロードするのみで、Webサイトとして有効活用できていないどれか1つでも当てはまるようであれば、要注意!これを機に、リニューアルを検討してみてはいかがでしょうか?この記事では、優れたIRサイトの特徴を、現在のトレンドも踏まえてご紹介します。さっそく見ていきましょう!ヒントとなる優秀な他社事例の見つけ方とは?そもそもどのようなIRサイトなら、投資家に対して自社の良さを訴求できるのでしょうか?そのヒントは、優秀なIRサイトを表彰する賞や、ランキング上位の企業のコーポレートサイトを見ると見つかるかもしれません。主な賞や、有名なランキングサイトには以下の3つがあります。⚫︎インターネットIR表彰(大和インベスター・リレーションズ株式会社)⚫︎全上場企業ホームページ充実度ランキング(日興アイ・アール株式会社)⚫︎IRサイトランキング(株式会社ブロードバンドセキュリティ)細かい評価基準は三者三様ですが、大きく分けると以下の3つに分けられます。⚫︎Webサイトの使いやすさ⚫︎情報の充実度⚫︎Webという媒体の活用度では、これらを満たすためにどんな施策を行えばよいのでしょうか?3つのポイントで投資家をひきつけるIRサイトをつくろう!優れたIRサイトにするためには、以下のようなことを心がけましょう。①わかりやすい導線でスピーディーなアクセスを実現し、ユーザビリティを向上POINT ●IRサイトトップページに更新頻度の高い情報を掲載 ●グローバルナビゲーションに下層ページへのリンクを設定 ●サイト内検索を導入しわかりやすい位置に配置 ●スマートフォンやタブレットなどマルチデバイスに対応投資家はあらゆる企業をチェックしているため、1社あたりの情報収集にかけられる時間は多くありません。欲しい情報がどこにあるかわかりにくければ、すぐに離脱されてしまいます。投資家が求めている情報にすばやくたどり着けるよう、設計することが大切です。さらに、サイト内検索機能を導入し、わかりやすい場所に配置するのもよいでしょう。個人投資家の中には、スマートフォンやタブレットで情報収集する方も多くいます。そんなとき、Webサイトがパソコンでの表示にしか対応していないと、大変見づらくなってしまいます。トレンドを見ても、IRニュースや株価情報、最新のIR資料など、更新が多い情報はIRサイトのトップページに掲載し、ワンクリックで閲覧できるようにしている企業が増えています。また、Webサイト上部にあるグローバルナビゲーションから下層ページにもすぐアクセスできるよう、リンクを設定。そして、Webサイトのデザインにも工夫が必要です。レスポンシブデザインやリキッドレイアウトを取り入れ、どんな端末からも見やすいサイトを目指しましょう。②財務情報だけでなく非財務情報も掲載してコンテンツを充実POINT ●IRサイト内に会社の歴史や戦略、強み・特長をまとめたページを追加 ●サステナビリティについてのコンテンツを掲載投資家の間では企業の将来性を予測するために、非財務情報も重視する見方が年々強まっています。また、世間的にSDGsをはじめとするサステナビリティ(持続可能性)に対する意識も高まっており、各企業の取り組みが注目されるように。その証拠に、ESG投資額も拡大を続けています。つまり、企業側が情報発信する際には、財務情報だけでなく非財務情報の充実化もはかる必要があるのです。例えば、IRサイトで会社の歴史や戦略、強み・特長を伝えるページを設ける。コーポレートサイトのコンテンツの1つに、サステナビリティについてのページを追加する。特に、プライム市場に上場している企業の多くは、グローバルナビゲーション上にサステナビリティページへのリンクを設置し、自社の取り組みをアピールしています。ページ内ではESGや自社のマテリアリティに合わせた構成でコンテンツを掲載しており、業界特有の社会課題に対しての解決策をピックアップしているところもあります。非財務情報までしっかり掲載し、財務データだけでは見えてこない自社の魅力を伝えましょう。③動画制作やメール配信など、Webサイトならではの工夫を取り入れるPOINT ●決算説明会の動画を配信 ●企業紹介やパーパス解説の動画を掲載 ●IRメール配信サービスを活用近年のトレンドとして、IRサイトでも動画コンテンツを配信する企業が増えてきています。たとえば、決算説明会の様子を動画で掲載することで、本来は参加できない個人投資家に対しても戦略をアピール。また、自社の価値創造ストーリーを伝える短い動画を制作すれば、忙しい投資家にすばやく自社の存在意義を伝えることができます。最近では、IRメール配信サービスを導入しているところも。これは、適時開示資料やニュースリリースなどがアップロードされた際、登録しているユーザーにメールでお知らせが届くサービスです。投資家に対してもれなく情報を伝えることができ、とても便利な機能となっています。このように、Webならではのコンテンツやサービスを活用し、IRサイトの充実化をはかっていきましょう。ミスや手間なくIRサイトを更新できるCMSを活用!ここまで、優れたIRサイトにするためのポイントをご紹介してきました。ただ、「更新・管理するだけで大変なのに……」と思われた方もいるのではないでしょうか。そんな方におすすめなのが、CMSの導入です。CMSとは、HTMLなどの専門知識がなくてもWebサイトのコンテンツを更新できるシステムのこと。“Content Management System”の頭文字を取ってCMSと呼ばれています。有名なサービスにはWord PressやMovable Typeがありますが、IRに特化したものもあります。IRに特化したCMSには、EDINETやTDnetに提出した資料を自動的にIRサイトに反映したり、財務情報をもとに自動でグラフ化したりする機能があります。それにより、●手動更新で起きていた操作ミスを減らせる●担当者の負担が軽減される●スピーディーに更新できるといったメリットを享受することができるのです。ただしすでにコーポレートサイト全体で別のCMSを導入している場合は、関わる制作会社が増えたり、管理費用が上がったりといったデメリットもあるので、慎重に検討する必要があります。IRに特化したCMSは複数社が提供しており、利用できる機能もさまざま。IRサイトをどの程度充実させたいかによって、使用するサービスを決めていきます。今利用しているCMSとの相性の問題もあるため、コーポレートサイト全体を担当しているWeb制作会社にも相談してみるとよいでしょう。いかがでしょうか?今回は、優れたIRサイトにするためのポイントをご紹介しました。この記事をもとに、あなたの会社のIRサイトもぜひ見直してみてくださいね。 関連記事 新人デザイナーのルーキー君と学ぶ!おろおろしない制作物のスケジュール... 課題が山積み! Webサイトの改訂 ~Webサイトの目的を設定しよう... 【目からウロコの深イイ話】②デジタル全盛期に印刷物を発行すべき理由と... 企業再生の “切り札” 生まれ変わるためのインナーブランディング【イ...
上場企業であれば、コーポレートサイト内に設けられていることが多いIRサイト。
その主な目的は、個人・機関投資家や株主に向けて、必要な情報を提供することです。
訪問者に「この会社に投資したい!」「株を持ち続けたい!」と思ってもらえるサイトにするには、いくつかの工夫が必要になってきます。
例えば、あなたの会社のIRサイトはこんな特徴はありませんか?
⚫︎必要な情報になかなかたどり着けない
⚫︎財務情報など、定量的な内容しか掲載していない
⚫︎PDFをアップロードするのみで、Webサイトとして有効活用できていない
どれか1つでも当てはまるようであれば、要注意!
これを機に、リニューアルを検討してみてはいかがでしょうか?
この記事では、優れたIRサイトの特徴を、現在のトレンドも踏まえてご紹介します。
さっそく見ていきましょう!
ヒントとなる優秀な他社事例の見つけ方とは?
そもそもどのようなIRサイトなら、投資家に対して自社の良さを訴求できるのでしょうか?
そのヒントは、優秀なIRサイトを表彰する賞や、ランキング上位の企業のコーポレートサイトを見ると見つかるかもしれません。
主な賞や、有名なランキングサイトには以下の3つがあります。
⚫︎インターネットIR表彰(大和インベスター・リレーションズ株式会社)
⚫︎全上場企業ホームページ充実度ランキング(日興アイ・アール株式会社)
⚫︎IRサイトランキング(株式会社ブロードバンドセキュリティ)
細かい評価基準は三者三様ですが、大きく分けると以下の3つに分けられます。
⚫︎Webサイトの使いやすさ
⚫︎情報の充実度
⚫︎Webという媒体の活用度
では、これらを満たすためにどんな施策を行えばよいのでしょうか?
3つのポイントで投資家をひきつけるIRサイトをつくろう!
優れたIRサイトにするためには、以下のようなことを心がけましょう。
①わかりやすい導線でスピーディーなアクセスを実現し、ユーザビリティを向上
●IRサイトトップページに更新頻度の高い情報を掲載
●グローバルナビゲーションに下層ページへのリンクを設定
●サイト内検索を導入しわかりやすい位置に配置
●スマートフォンやタブレットなどマルチデバイスに対応
投資家はあらゆる企業をチェックしているため、1社あたりの情報収集にかけられる時間は多くありません。
欲しい情報がどこにあるかわかりにくければ、すぐに離脱されてしまいます。
投資家が求めている情報にすばやくたどり着けるよう、設計することが大切です。
さらに、サイト内検索機能を導入し、わかりやすい場所に配置するのもよいでしょう。
個人投資家の中には、スマートフォンやタブレットで情報収集する方も多くいます。
そんなとき、Webサイトがパソコンでの表示にしか対応していないと、大変見づらくなってしまいます。
トレンドを見ても、IRニュースや株価情報、最新のIR資料など、更新が多い情報はIRサイトのトップページに掲載し、ワンクリックで閲覧できるようにしている企業が増えています。
また、Webサイト上部にあるグローバルナビゲーションから下層ページにもすぐアクセスできるよう、リンクを設定。
そして、Webサイトのデザインにも工夫が必要です。
レスポンシブデザインやリキッドレイアウトを取り入れ、どんな端末からも見やすいサイトを目指しましょう。
②財務情報だけでなく非財務情報も掲載してコンテンツを充実
POINT
●IRサイト内に会社の歴史や戦略、強み・特長をまとめたページを追加
●サステナビリティについてのコンテンツを掲載
投資家の間では企業の将来性を予測するために、非財務情報も重視する見方が年々強まっています。
また、世間的にSDGsをはじめとするサステナビリティ(持続可能性)に対する意識も高まっており、各企業の取り組みが注目されるように。
その証拠に、ESG投資額も拡大を続けています。
つまり、企業側が情報発信する際には、財務情報だけでなく非財務情報の充実化もはかる必要があるのです。
例えば、IRサイトで会社の歴史や戦略、強み・特長を伝えるページを設ける。
コーポレートサイトのコンテンツの1つに、サステナビリティについてのページを追加する。
特に、プライム市場に上場している企業の多くは、グローバルナビゲーション上にサステナビリティページへのリンクを設置し、自社の取り組みをアピールしています。
ページ内ではESGや自社のマテリアリティに合わせた構成でコンテンツを掲載しており、業界特有の社会課題に対しての解決策をピックアップしているところもあります。
非財務情報までしっかり掲載し、財務データだけでは見えてこない自社の魅力を伝えましょう。
③動画制作やメール配信など、Webサイトならではの工夫を取り入れる
POINT
●決算説明会の動画を配信
●企業紹介やパーパス解説の動画を掲載
●IRメール配信サービスを活用
近年のトレンドとして、IRサイトでも動画コンテンツを配信する企業が増えてきています。
たとえば、決算説明会の様子を動画で掲載することで、本来は参加できない個人投資家に対しても戦略をアピール。
また、自社の価値創造ストーリーを伝える短い動画を制作すれば、忙しい投資家にすばやく自社の存在意義を伝えることができます。
最近では、IRメール配信サービスを導入しているところも。
これは、適時開示資料やニュースリリースなどがアップロードされた際、登録しているユーザーにメールでお知らせが届くサービスです。
投資家に対してもれなく情報を伝えることができ、とても便利な機能となっています。
このように、Webならではのコンテンツやサービスを活用し、IRサイトの充実化をはかっていきましょう。
ミスや手間なくIRサイトを更新できるCMSを活用!
ここまで、優れたIRサイトにするためのポイントをご紹介してきました。
ただ、「更新・管理するだけで大変なのに……」と思われた方もいるのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、CMSの導入です。
CMSとは、HTMLなどの専門知識がなくてもWebサイトのコンテンツを更新できるシステムのこと。
“Content Management System”の頭文字を取ってCMSと呼ばれています。
有名なサービスにはWord PressやMovable Typeがありますが、IRに特化したものもあります。
IRに特化したCMSには、EDINETやTDnetに提出した資料を自動的にIRサイトに反映したり、財務情報をもとに自動でグラフ化したりする機能があります。
それにより、
●手動更新で起きていた操作ミスを減らせる
●担当者の負担が軽減される
●スピーディーに更新できる
といったメリットを享受することができるのです。
ただしすでにコーポレートサイト全体で別のCMSを導入している場合は、関わる制作会社が増えたり、管理費用が上がったりといったデメリットもあるので、慎重に検討する必要があります。
IRに特化したCMSは複数社が提供しており、利用できる機能もさまざま。
IRサイトをどの程度充実させたいかによって、使用するサービスを決めていきます。
今利用しているCMSとの相性の問題もあるため、コーポレートサイト全体を担当しているWeb制作会社にも相談してみるとよいでしょう。
いかがでしょうか?
今回は、優れたIRサイトにするためのポイントをご紹介しました。
この記事をもとに、あなたの会社のIRサイトもぜひ見直してみてくださいね。