IR/CSR いくつ知っていますか?IRツールのトレンドワードをまとめて解説! 22.06.22 IRツールの制作を進めるうえで、わからない単語が出てくることはありませんか?企業の情報開示に関する取り組みがいっそう進む中で、新しいキーワードも次々に登場し、勉強するにも一苦労、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、IRツール制作の際に知っておきたい単語をこの記事でまとめてご紹介!最近話題の統合報告書に関する言葉も合わせて解説します。ESG環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったもの。2006年に誕生した概念で、売上・利益などの経済性と、社会・環境への貢献を両立する企業を大切にしようという、投資家の思いを反映しています。環境には、気候変動や温室効果ガスの排出など自然に関する内容が、社会には、健康と安全、ジェンダーやダイバーシティなどが該当します。ガバナンスは、役員の人事・報酬の妥当性、経営の透明性などが主なトピックとなっています。インタラクティブPDFユーザー側が操作できるように設定されたPDFデータのこと。特定部分をクリックすると任意のページにジャンプしたり、外部リンクにアクセスしたりできる機能がつけられます。ページ数の多くなりがちな統合報告書でも、目次から見たいページを選んですぐに飛べるので、Webサイト上で見てもらうには最適な形式です。詳しくはこちらの記事もぜひご覧ください。SDGs「Sustainable Development Goals」の略で、2015年に国連が定めた「持続可能な開発目標」のこと。貧困や不平等・格差、気候変動による影響など、世界中で起きているさまざまな問題を根本から解決し、すべての人たちにとってより良い世界をつくるために設定されました。17の分野別目標と169のターゲットから構成され、2030年までに達成することを目指しています。また、「すべての国、地域の人々が誰ひとり取り残されないこと」を重視している点も大きな特徴です。企業の中には、SDGsの各目標に関連付けて自社のマテリアリティを策定するところもあります。価値協創ガイダンス(価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス)2017年5月に経済産業省が公表した、主に国内で事業を展開する日本企業向けの情報開示の枠組み。情報開示や対話を通じ、企業と投資家がお互いに理解を深め、持続的な価値協創に向けた行動の促進を目的としており、統合報告書のフレームワークとして活用されています。そのため、このガイダンスには、①企業経営者が自らの経営理念やビジネスモデル、戦略、ガバナンス等を総合的に投資家に伝えるための手引き②投資家が中長期的な観点から企業を評価し、投資判断やスチュワードシップ活動に役立てるための手引きという2つの役割が期待されています。国際統合報告フレームワーク英国で創立された国際的な連合組織であるIIRC(国際統合報告評議会)が公表した、統合報告書制作で活用できるフレームワーク。統合報告書を作成するプロセスを通じて、「統合思考(組織が行う事業と、組織が利用し影響を与える資本との間にある関係について考えること)」が組織内に浸透することで、企業価値を向上させることを目的としています。財務資本の提供者が利用しやすい情報を、企業が正しく伝える方法の確立を目指しています。価値創造プロセスさまざまな資本を活用して事業を行い、その結果としてアウトプットを生み出すまでの過程を示したもの。短期・中期・長期的に企業価値を高めていく流れがわかりやすくまとまっています。「国際統合報告フレームワーク」における価値創造モデル(いわゆる“オクトパスモデル”)が有名で、財務資本や人的資本、自然資本などからなる6つの資本、インプット、アウトプット、アウトカムという4つの要素があります。【インプット】価値創造プロセスにおいて、事業を行うために資本を調達し、事業活動に取り入れることを指します。資本には、財務資本…資金など製造資本…生産設備のキャパシティや事業拠点など知的資本…特許やライセンス、研究開発など人的資本…従業員数など社会・関係資本…ブランドや顧客基盤など自然資本…土地や天然の材料などがあります。【アウトプット】価値創造プロセスにおいて、企業の事業活動で生まれた製品やサービスのほか、発生したCO2や廃棄物などを指します。【アウトカム】価値創造プロセスにおいて、アウトプットによってもたらされる成果のことを指します。こちらもインプットと同じように6つの資本で表し、財務資本…売上や利益など製造資本…生み出された製品・サービスなど知的資本…新たに取得した特許や蓄積した技術力など人的資本…従業員の能力・意欲の向上やシナジーなど社会・関係資本…ユーザーの増加やブランドの向上など自然資本…排出したCO2や土壌への負荷などが当てはまります。サステナビリティ直訳すると「持続可能性」のこと。ビジネスにおいては、目先の利益だけを追い求めるのではなく、将来にわたって事業を継続できるように努力することや、そのための取り組みを指します。企業には、自然や動物も含めて快適に長く暮らせる社会を目指して行動し、その取り組みを開示することが求められているのです。SASBスタンダードアメリカの非営利団体であるSASB(サステナビリティ会計基準審議会)が作成した、ESG情報の開示に関する項目を整理したフレームワーク。産業界を11セクター77業種に分け、業種ごとに「投資家が重要だと思う項目」を明示しています。CSVCreating Shared Value(共通価値の創造)の略で、企業の本業そのもので社会課題を解決することにより社会的価値と経営的価値の両方を実現する、という考え方です。CSR(Corporate Social Responsibility)と似ていますが、こちらは「企業の社会的責任」を意味しており、慈善活動が中心となっています。スキルマトリクス取締役会を構成する各取締役が保有するスキルを、一覧表にしてまとめたもの。スキルバランスを可視化することができ、会社が抱える課題を解決するために必要な経営機能が備わっているかが判断しやすくなります。2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードでは、「経営戦略に照らして取締役会が備えるべきスキル(知識・経験・能力)と、各取締役のスキルとの対応関係の公表」すべきであるとされ、スキルマトリクスを開示する企業が急増しています。ステークホルダー企業の利害関係者のこと。社員や消費者、投資家だけでなく、国や、金融機関、取引先企業、地域社会もステークホルダーに含まれます。TCFDG20から要請を受けたFSB(金融安定理事会)により設置された、気候関連財務情報開示タスクフォースの略称。2017年に最終報告書(TCFD提言)を公表し、企業等に対して、気候変動がもたらす「リスク」および「機会」の財務的影響について開示することを推奨しています。東京証券取引所のプライム市場に上場するための資格として、TCFDに準拠する開示が義務付けられる方針となっています。マテリアリティ自社に関わる重要課題のこと。企業活動による社会課題への影響度合いを評価し、優先順位をつけ、「企業としてそれぞれの課題をどの程度重要と認識しているか」を示しています。リスクと機会を検討したうえで自社のマテリアリティを決め、SDGsの各目標との関係性の整理とKPIの設定などを行います。パーパス「なぜ、その企業、ブランド、サービスが存在しているのか」を言語化したもの。日本語では「存在意義」と訳されます。ミッションと混同しやすいですが、その違いは「社会とのつながりを強く意識しているかどうか」です。ミッションは「何を目指すのか(What)」を定めているのに対し、パーパスは「なぜ存在するのか(Why)」を示しています。非財務情報財務諸表などで開示されるもの以外の情報のこと。昨今では、財務のような定量情報だけでは企業の本質的な価値が測れなくなっています。革新的なサービスや持続可能なビジネスモデル、中長期的な視点によるESGへの配慮など、「非財務」の情報に対するニーズが高まっています。だからこそ、財務情報と非財務情報を合わせて伝える「統合報告書」を求める声が多くあがっているのです。いかがでしたか?IRツール制作の際には、ぜひこの記事をお役立てください! 関連記事 世の中の社内報事情とは!? 【テレワーク】社員たちのリアルな声 Vol.1 【統合報告書リニューアル】今よりもっとよくするための3つのポイントと... 主役はコンテンツ! 売り込まなくても売れる最新Webマーケティング②...
IRツールの制作を進めるうえで、わからない単語が出てくることはありませんか?
企業の情報開示に関する取り組みがいっそう進む中で、新しいキーワードも次々に登場し、勉強するにも一苦労、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、IRツール制作の際に知っておきたい単語をこの記事でまとめてご紹介!
最近話題の統合報告書に関する言葉も合わせて解説します。
ESG
環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったもの。2006年に誕生した概念で、売上・利益などの経済性と、社会・環境への貢献を両立する企業を大切にしようという、投資家の思いを反映しています。
環境には、気候変動や温室効果ガスの排出など自然に関する内容が、社会には、健康と安全、ジェンダーやダイバーシティなどが該当します。
ガバナンスは、役員の人事・報酬の妥当性、経営の透明性などが主なトピックとなっています。
インタラクティブPDF
ユーザー側が操作できるように設定されたPDFデータのこと。
特定部分をクリックすると任意のページにジャンプしたり、外部リンクにアクセスしたりできる機能がつけられます。
ページ数の多くなりがちな統合報告書でも、目次から見たいページを選んですぐに飛べるので、Webサイト上で見てもらうには最適な形式です。
詳しくはこちらの記事もぜひご覧ください。
SDGs
「Sustainable Development Goals」の略で、2015年に国連が定めた「持続可能な開発目標」のこと。
貧困や不平等・格差、気候変動による影響など、世界中で起きているさまざまな問題を根本から解決し、すべての人たちにとってより良い世界をつくるために設定されました。
17の分野別目標と169のターゲットから構成され、2030年までに達成することを目指しています。
また、「すべての国、地域の人々が誰ひとり取り残されないこと」を重視している点も大きな特徴です。
企業の中には、SDGsの各目標に関連付けて自社のマテリアリティを策定するところもあります。
価値協創ガイダンス
(価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス)
2017年5月に経済産業省が公表した、主に国内で事業を展開する日本企業向けの情報開示の枠組み。
情報開示や対話を通じ、企業と投資家がお互いに理解を深め、持続的な価値協創に向けた行動の促進を目的としており、統合報告書のフレームワークとして活用されています。
そのため、このガイダンスには、
①企業経営者が自らの経営理念やビジネスモデル、戦略、ガバナンス等を総合的に投資家に伝えるための手引き
②投資家が中長期的な観点から企業を評価し、投資判断やスチュワードシップ活動に役立てるための手引き
という2つの役割が期待されています。
国際統合報告フレームワーク
英国で創立された国際的な連合組織であるIIRC(国際統合報告評議会)が公表した、統合報告書制作で活用できるフレームワーク。
統合報告書を作成するプロセスを通じて、「統合思考(組織が行う事業と、組織が利用し影響を与える資本との間にある関係について考えること)」が組織内に浸透することで、企業価値を向上させることを目的としています。
財務資本の提供者が利用しやすい情報を、企業が正しく伝える方法の確立を目指しています。
価値創造プロセス
さまざまな資本を活用して事業を行い、その結果としてアウトプットを生み出すまでの過程を示したもの。
短期・中期・長期的に企業価値を高めていく流れがわかりやすくまとまっています。
「国際統合報告フレームワーク」における価値創造モデル(いわゆる“オクトパスモデル”)が有名で、財務資本や人的資本、自然資本などからなる6つの資本、インプット、アウトプット、アウトカムという4つの要素があります。
【インプット】
価値創造プロセスにおいて、事業を行うために資本を調達し、事業活動に取り入れることを指します。
資本には、
財務資本…資金など
製造資本…生産設備のキャパシティや事業拠点など
知的資本…特許やライセンス、研究開発など
人的資本…従業員数など
社会・関係資本…ブランドや顧客基盤など
自然資本…土地や天然の材料など
があります。
【アウトプット】
価値創造プロセスにおいて、企業の事業活動で生まれた製品やサービスのほか、発生したCO2や廃棄物などを指します。
【アウトカム】
価値創造プロセスにおいて、アウトプットによってもたらされる成果のことを指します。
こちらもインプットと同じように6つの資本で表し、
財務資本…売上や利益など
製造資本…生み出された製品・サービスなど
知的資本…新たに取得した特許や蓄積した技術力など
人的資本…従業員の能力・意欲の向上やシナジーなど
社会・関係資本…ユーザーの増加やブランドの向上など
自然資本…排出したCO2や土壌への負荷など
が当てはまります。
サステナビリティ
直訳すると「持続可能性」のこと。
ビジネスにおいては、目先の利益だけを追い求めるのではなく、将来にわたって事業を継続できるように努力することや、そのための取り組みを指します。
企業には、自然や動物も含めて快適に長く暮らせる社会を目指して行動し、その取り組みを開示することが求められているのです。
SASBスタンダード
アメリカの非営利団体であるSASB(サステナビリティ会計基準審議会)が作成した、ESG情報の開示に関する項目を整理したフレームワーク。
産業界を11セクター77業種に分け、業種ごとに「投資家が重要だと思う項目」を明示しています。
CSV
Creating Shared Value(共通価値の創造)の略で、企業の本業そのもので社会課題を解決することにより社会的価値と経営的価値の両方を実現する、という考え方です。
CSR(Corporate Social Responsibility)と似ていますが、こちらは「企業の社会的責任」を意味しており、慈善活動が中心となっています。
スキルマトリクス
取締役会を構成する各取締役が保有するスキルを、一覧表にしてまとめたもの。
スキルバランスを可視化することができ、会社が抱える課題を解決するために必要な経営機能が備わっているかが判断しやすくなります。
2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードでは、
「経営戦略に照らして取締役会が備えるべきスキル(知識・経験・能力)と、各取締役のスキルとの対応関係の公表」すべきであるとされ、スキルマトリクスを開示する企業が急増しています。
ステークホルダー
企業の利害関係者のこと。
社員や消費者、投資家だけでなく、国や、金融機関、取引先企業、地域社会もステークホルダーに含まれます。
TCFD
G20から要請を受けたFSB(金融安定理事会)により設置された、気候関連財務情報開示タスクフォースの略称。
2017年に最終報告書(TCFD提言)を公表し、企業等に対して、気候変動がもたらす「リスク」および「機会」の財務的影響について開示することを推奨しています。
東京証券取引所のプライム市場に上場するための資格として、TCFDに準拠する開示が義務付けられる方針となっています。
マテリアリティ
自社に関わる重要課題のこと。
企業活動による社会課題への影響度合いを評価し、優先順位をつけ、「企業としてそれぞれの課題をどの程度重要と認識しているか」を示しています。
リスクと機会を検討したうえで自社のマテリアリティを決め、SDGsの各目標との関係性の整理とKPIの設定などを行います。
パーパス
「なぜ、その企業、ブランド、サービスが存在しているのか」を言語化したもの。
日本語では「存在意義」と訳されます。
ミッションと混同しやすいですが、その違いは「社会とのつながりを強く意識しているかどうか」です。
ミッションは「何を目指すのか(What)」を定めているのに対し、パーパスは「なぜ存在するのか(Why)」を示しています。
非財務情報
財務諸表などで開示されるもの以外の情報のこと。
昨今では、財務のような定量情報だけでは企業の本質的な価値が測れなくなっています。
革新的なサービスや持続可能なビジネスモデル、中長期的な視点によるESGへの配慮など、「非財務」の情報に対するニーズが高まっています。
だからこそ、財務情報と非財務情報を合わせて伝える「統合報告書」を求める声が多くあがっているのです。
いかがでしたか?
IRツール制作の際には、ぜひこの記事をお役立てください!