販売促進人材戦略 組織づくりの根っこ「CI構築」の基本を知る ①企業における「人」の課題を解決する秘策 21.07.09 不確実性が高い現在、企業の悩みは千差万別。なかでも「人」にまつわる組織の問題は、売上の減少やサービス品質の低下をまねくほか、健全な社風を阻む大きなハードルとなるものです。チームのメンバーが同じベクトルを向き、一丸となって各々が最大限の力を発揮するには、組織の求心力を高めるアイデンティティが必要。ここでは、CI構築の手法について考えてみたいと思います。組織の課題は「根っこ」から解決する外部環境が激変する昨今、経営者や管理職などリーダー層の悩みは尽きません。「お客様に商品を売れず、業績が伸び悩んでいる…」「社内や部署間の連携がなくバラバラ…」「採用時のミスマッチで早期の離職者が多い…」これらは、多くの会社共通の悩みではないでしょうか。企業の課題は昔も今も、「人」に関わるものが多くを占めています。一方、「規模」の拡大による組織自体の課題もあります。数名で事業を始めたベンチャー企業にとって、メンバーは全員が社長の目が届く範囲にいるため、コミュニケーション不全はあり得ません。ところが人員が増えると、問題が生じ始めます。組織の方針や考え方が曖昧だと、各々が独自の判断基準で行動するようになるからです。一方、長く事業を続けてきた中堅企業や大企業の場合、事業ドメインが増えて組織の階層が深くなるため、理念や目標の共有がむずかしくなります。さらに部署間のセクショナリズムは、成長を阻害する最大の原因。あるいは、業態そのものが時の経過とともに大きく変わったため、創業時の考え方が時流に合わなくなることだってあるでしょう。事業活動の各場面で、次々に発生する課題をひとつずつ解決しても、永久に「モグラたたき」は終わりません。もちろん、経営トップが「コミュニケーションを増やして、仲良くやりましょう」と語っても、従業員は白けるだけです。なぜなら、課題の原因は表層的なものではなく、組織の「根っこ」に存在することにあるからです。この「根っこ」をコーポレート・アイデンティティ(以下:CI)といいます。CIの構築は企業の成長に欠かせないCIとは、企業の存在意義や独自性を指す概念で、これを社内外に発信して企業価値を高める戦略のひとつ。「社名やロゴマークを刷新することだ」と思われる方が多いですが、重要なのはむしろ、理念や企業哲学であり、社名やロゴ、各種制作物のトンマナなどは手段に過ぎません。また、接客業などは、ふるまいや表情など、あるべき行動を定めることも少なくありません。つまり、CIに含まれるものは幅広く、理念(マインド)・行動(ビヘイビア)・視覚(ビジュアル)の頭文字をとったMI・BI・VIがあります。一般にCIのリニューアルは、企業の周年事業の一環として、あるいは大規模なM&Aやグループ統合などのタイミングで実施されることが多いもの。大がかりなプロジェクトだと1年以上を要することもありますが、予算をかけずに元の理念やスローガンを刷新するだけのケースもあります。どちらにしても、未来に向けた新たな決意を表明し、社内外へのメッセージとして力強く打ち出すことができます。理念を共有し、全員が同じベクトルを向いて進むことができるなら、一人ひとりの能力が平凡でも最大限の力を発揮できます。逆に、一人ひとりが優秀でも、組織がバラバラでは成果を出すのは困難。つまり、真に企業の使命や志を反映したCIの構築は、成長に欠かせないものと言えます。組織づくりの根っこ「CI構築」の基本を知る ②理念の創造と理念の浸透の2つのフェーズに続きます! 関連記事 打ち合わせ時間が短くなる!?Web会議のメリット・デメリットを徹底解... 記念誌制作に役立つ6つのアイデア ~表現のヒント~ 会社説明会の参加者を増やすには、採用パンフレットの”直接送付”が効果... Illustrator効果「はね」などの白い部分を透過させる方法
不確実性が高い現在、企業の悩みは千差万別。なかでも「人」にまつわる組織の問題は、売上の減少やサービス品質の低下をまねくほか、健全な社風を阻む大きなハードルとなるものです。
チームのメンバーが同じベクトルを向き、一丸となって各々が最大限の力を発揮するには、組織の求心力を高めるアイデンティティが必要。ここでは、CI構築の手法について考えてみたいと思います。
組織の課題は「根っこ」から解決する
外部環境が激変する昨今、経営者や管理職などリーダー層の悩みは尽きません。「お客様に商品を売れず、業績が伸び悩んでいる…」「社内や部署間の連携がなくバラバラ…」「採用時のミスマッチで早期の離職者が多い…」これらは、多くの会社共通の悩みではないでしょうか。
企業の課題は昔も今も、「人」に関わるものが多くを占めています。
一方、「規模」の拡大による組織自体の課題もあります。数名で事業を始めたベンチャー企業にとって、メンバーは全員が社長の目が届く範囲にいるため、コミュニケーション不全はあり得ません。ところが人員が増えると、問題が生じ始めます。組織の方針や考え方が曖昧だと、各々が独自の判断基準で行動するようになるからです。
一方、長く事業を続けてきた中堅企業や大企業の場合、事業ドメインが増えて組織の階層が深くなるため、理念や目標の共有がむずかしくなります。さらに部署間のセクショナリズムは、成長を阻害する最大の原因。あるいは、業態そのものが時の経過とともに大きく変わったため、創業時の考え方が時流に合わなくなることだってあるでしょう。
事業活動の各場面で、次々に発生する課題をひとつずつ解決しても、永久に「モグラたたき」は終わりません。もちろん、経営トップが「コミュニケーションを増やして、仲良くやりましょう」と語っても、従業員は白けるだけです。なぜなら、課題の原因は表層的なものではなく、組織の「根っこ」に存在することにあるからです。
この「根っこ」をコーポレート・アイデンティティ(以下:CI)といいます。
CIの構築は企業の成長に欠かせない
CIとは、企業の存在意義や独自性を指す概念で、これを社内外に発信して企業価値を高める戦略のひとつ。「社名やロゴマークを刷新することだ」と思われる方が多いですが、重要なのはむしろ、理念や企業哲学であり、社名やロゴ、各種制作物のトンマナなどは手段に過ぎません。また、接客業などは、ふるまいや表情など、あるべき行動を定めることも少なくありません。
つまり、CIに含まれるものは幅広く、理念(マインド)・行動(ビヘイビア)・視覚(ビジュアル)の頭文字をとったMI・BI・VIがあります。
一般にCIのリニューアルは、企業の周年事業の一環として、あるいは大規模なM&Aやグループ統合などのタイミングで実施されることが多いもの。大がかりなプロジェクトだと1年以上を要することもありますが、予算をかけずに元の理念やスローガンを刷新するだけのケースもあります。
どちらにしても、未来に向けた新たな決意を表明し、社内外へのメッセージとして力強く打ち出すことができます。
理念を共有し、全員が同じベクトルを向いて進むことができるなら、一人ひとりの能力が平凡でも最大限の力を発揮できます。逆に、一人ひとりが優秀でも、組織がバラバラでは成果を出すのは困難。
つまり、真に企業の使命や志を反映したCIの構築は、成長に欠かせないものと言えます。
組織づくりの根っこ「CI構築」の基本を知る ②理念の創造と理念の浸透の2つのフェーズに続きます!