アドバンド株式会社

組織づくりの根っこ「CI構築」の基本を知る ②理念の創造と理念の浸透の2つのフェーズ

21.07.09
組織づくりの根っこ「CI構築」の基本を知る ②理念の創造と理念の浸透の2つのフェーズ

CIを新たに構築するケース、あるいは、すでにあるCIを活用するケース。どちらにしても、インナーブランディングの全体像を知るには、2つのフェーズを理解する必要があります。

ここでは「理念の創造」と「理念の浸透」に分け、それぞれの取り組みや目的を整理し、より効果を発揮する方法について解説します。

理念創造のカギは第三者を巻き込んだディスカッション

理念の創造では、具体的な活動の前に、現状を知ることが欠かせません。各部署で、あるいは部門間の連携においてどのような問題があるのか。潜在的なリスクもふくめ課題を抽出します。社員数が多い場合、アンケートを使った選択肢の設問による定量調査と、インタビューやヒアリングによる定性調査を行うと効果的です。

アドバンドのインナーブランディングPJでは、「社員個別面談」や「社長インタビュー」がこれに該当します。各々が抱える悩みを把握し、重要な課題はメンバー間で共有しておきます。通常、CIの構築では、ミッション・バリュー・行動指針を決めることが多いです。ただし、必ずしもすべて必要ではなく、経営方針や目的により自由に決めて構いません。

ミッションは、企業の使命や存在意義を指す言葉です。誰に対して、何を提供し、社会にどう貢献していくかを明文化します。

バリューとは、価値観や大切にしたい考え方のことです。ミッションを因数分解し、その達成に向けて心がけるべきテーマを複数の言葉で表現します。

そして行動指針は、バリューに基づいて活動するための基準のことです。誰にとってもわかりやすく、できるだけ具体的な言葉で示すと効果的です。

実際の構築フローは、メンバー全員のセッションで議論を深める時間が中心となります。ブレインストーミングの王道ですが、付箋に書いて意見を出し合いながら、検討を進めていきます。社員だけでは意見が偏るため、第三者として支援会社の協力を仰ぐと、より客観的な議論ができます。
ところで、「当社には、創業者がつくった立派な理念がある」という会社もあるはずです。もちろん、十分に機能しているなら、元の理念を使い続ける選択肢も悪くはありません。ただし、理念が形骸化している、あるいは、時代に即していない場合は検討すべきです。
どちらにしても、たしかな理念づくりは、組織の求心力を高めるのに有効な手法。難しく考えず、肩ひじを張らずに取り組んでみましょう。

理念は浸透させてこそ意味がある

次に理念の浸透ですが、ただ朝礼で唱和するだけでは効果はありません。

ポイントは3つあります。

1つは評価制度に紐づけることです。理念に沿って行動した社員を表彰するのも効果的です。

2つ目は、接する機会を増やすことで、PJのメンバーやリーダー層が啓蒙し続ける姿勢が大切です。

最後に、具体的なエピソードを交えて、理念と結び付ける方法を挙げます。「お客様から高い評価を得たのは、○○○の行動指針を意識した結果だ」のように、上長の訓話や社員のスピーチに盛り込みます。

インナーブランディングの成果はすぐに出るものではありません。5年後、10年後に大きな差として表れます。中長期的な視点で企業価値の向上を目指すなら、十分に検討する価値があります。


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