アドバンド株式会社

上場企業におけるIR活動 ~株主・投資家を対象としたアイテムの見直しを~

20.11.10
上場企業におけるIR活動 ~株主・投資家を対象としたアイテムの見直しを~

昨今、上場企業のIR活動において、社会・環境など非財務情報の提供が求められています。今までは、アニュアルレポートとCSR報告書を別冊で発行するケースが多かったが、ESG投資の動きにより、統合報告書のニーズが高まってきました。
これには、社会からの要請の変化があります。たとえば、持続可能性に配慮したビジネスモデルへの期待。あるいは、国内では「働き方改革」の推進による女性活躍や在宅ワークなど、株主・投資家を中心としつつも、幅広いステークホルダーを対象としたIRが必要になっています。
同時に、印刷物・Web・映像などメディアが多様化。さらに、PCだけでなく、タブレットやスマホなど端末の種類が増え、IR担当者の負担は増すばかりです。

特徴を活かし、IR情報の発信を

幅広いステークホルダーに向けたIR情報を発信するには、多くの制約と限られた予算のなかで全体最適を図るのが課題です。
インターネット利用率の増加やスマホの普及、情報提供・更新のスピード感などの理由から、IR活動はコーポレートサイトの「IR情報」ページが中心になるのは間違いありません。ここでは動画をふくめ、コンテンツの充実を図るのがポイントとなります。
一方、印刷物では従来、さまざまなツールを制作して株主や投資家にディスクローズしてきました。そこで、IR関連のツールを整理するためにも、印刷物は「統合報告書」と「株主通信」の2冊に集約することをご提案したいと思います。

「統合報告書」
概要:財務情報に加え、環境・社会など非財務情報を一冊にまとめたもの
         企業ブランドと価値創造のプロセスなど、全体像を伝えるツール
対象者:主要ターゲットは機関投資家
            取引先や就活生など幅広いステークホルダーを対象に発行可能
発行頻度:年1回発行

「株主通信」
概要:長期保有ほか安定株主の確保を目的に制作したツール
   定期的な個人株主との接点を維持する媒体
対象者:個人株主
発行頻度:従来どおり年1~2回発行

この2種類のツールに集約することで、一貫性が生まれ、担当者の負担を減らすことができます。

3つの発信方法

統合報告書の発行には3つの方法があります。
1つ目は印刷物です。冊子として実体があるため、企業価値を感じてもらえることが期待できます。
2つ目はPDFデータです。Webサイトを訪れたユーザーなら、すぐに閲覧できるメリットがあります。ただし、ブラウザ上で長文を読むのは苦痛だし、ページ数が多いと不便なもの。
そこで、3つ目の方法として、インタラクティブPDFが登場しました。見た目はPDFと同様だが、スクロールしなくてもクリックすれば見たいページに飛ぶことができます。もちろん、必要なページだけ出力することも可能です。ハイパーリンクや動画も埋め込めるため、印刷物とデジタルそれぞれの利点を融合したものといえます。

まとめ

SDGsが注目される昨今。ぜひこの機会に、IRツールを整理し、伝達手段を見直してほしいと思います。そして、上場企業に期待されるSDGsの2030年までのゴールにむけ、新たなIR活動に取り組んではどうでしょうか。

      
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