- 公開
- 2026/10/08
無印良品に学ぶ、シンプルでも個性が伝わる「自社らしさ」の表現方法
「無印良品」を展開する株式会社良品計画。雑貨や衣服の販売だけでなく、オフィスなどの空間設計も手がけています。シンプルながらも企業の個性を感じさせる表現の哲学を、良品計画のお二人にうかがいました。
目次
無駄のないオフィス空間を実現しつつ、多くの要望に応える工夫
質感の良い自然素材の家具に、高い機能性。良品計画がデザインするオフィス空間には、そんな無印良品らしさだけでなく、顧客企業の価値観が反映されています。自社と他社の個性が融合した空間設計のポイントについて、同社の渡部奈保さん(営業本部空間デザイン室設計デザイン課)はこう語ります。
「無印良品のシンプルさは、装飾を引き算して機能を追求した結果なのだと思います。だからこそ、いろいろな企業の個性をのせる『器』になれると考えています」
ではそもそも、その「個性」をどのように把握しているのでしょうか。堀江萌香さん(同課)はヒアリングの際、「これまでの習慣やオフィスの使い方」を聞くことを大切にしているといいます。
「たとえば従業員全員で掃除を行う時間を設けている会社や、あいさつを大切にしている会社なら、社内コミュニケーションを重視していることがわかりますよね。逆に、『続けられなかったこと』にも着目しています。整理整頓が続けられなかった会社があれば、収納スペースが足りなかったのか、あるいはルールづくりが不十分だったのか、原因を分析します。それによって、課題解決をサポートする手段が変わってくるんです」
自社らしい表現を考えるプロセスが“強力なインナーブランディング”に

良品計画のオフィスづくりでは、塗装などの作業に顧客企業の社員が参加することも。一緒につくることによって、今度は社員自らが来客のときに塗装作業のエピソードについて語るなど、愛着を感じながら使うことができます。
「私たちは、空間を新しくすることそのものよりも、一緒に考えるというプロセスを大切にしています。ですので空間設計を考えるときにも、総務部のご担当者だけでなく、いろいろな人の意見を聞くことをおすすめしています。これまで大切にして来たことを振り返り、前向きにアイデアを出し合うことは、強力なインナーブランディングになるはずです」(渡部さん)
「自社らしさ」を見つけて表現するヒントは、普段のオフィスの使い方や社員のなかにあるもの。自社にとって当たり前になっている習慣や考え方が、外から見れば魅力的な個性になるかもしれません。
「自社の個性は、会社の内側にいると気づきにくいかもしれません。その場合は、第三者の意見を聞いてみることも有効な手段になり得ます」(堀江さん)
理想や装飾に頼るのではなく、これまでの習慣から「らしさ」を引き出し、それにフィットした形を追求する。この考え方は、広報・IR担当者にとっても大切な視点になりそうです。
これから目指すことだけでなく、これまで続いてきたことや続けられなかったことに着目
いろいろな立場の従業員がざっくばらんに会社について語り、アイデアを出し合う
自社らしさ探しは“灯台下暗し”になりがち。外部の声が貴重なヒントに
株式会社良品計画
製造小売や飲食、建築・空間設計などの事業を展開。中心となるライフスタイルブランド「無印良品」は、素材の選択・工程の点検・包装の簡略化の3つをものづくりの基本の原則とし、それらを通じて「感じ良い暮らしと社会」を提案する。
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